日本人が歯を失う最大の原因

歯周病治療

歯周病とは、歯垢(プラーク)の中に存在する歯周病菌に歯周組織が感染するために起きるお口の病気です。症状としては、歯肉(歯ぐき)が腫れたり出血したりして、最終的には歯が抜けてしまうというものです。日本人が歯を失う原因で、最も多いのがこの病気です。歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどないために気づかない方が多く、実際には成人の5人中4人がこの病気にかかっていると言われています。

歯周病と歯槽膿漏の違い

歯周病と歯槽膿漏の違い歯槽膿漏は歯周病とほぼ同じ意味で使われていますが、歯槽膿漏は文字が示すとおり「歯周組織から膿が出る」症状のことで、厳密には、歯槽膿漏は歯周病のひとつの症状を指すものです。しかし最近は歯槽膿漏と言えば歯周病のこととして考えられるようになり、歯槽膿漏という言葉はあまり使われなくなっています。

歯周病の症状とは

歯周病の症状とは歯周病は、初期段階ではほとんど自覚症状がないのが特徴です。そのため、以下に挙げるような症状が現れたときには、歯周病がかなり進行している場合が多いというのが現状です。早めに治療をすれば回復を望めますが、症状が進んでしまうと、最悪の場合抜歯しなければなりません。

・歯みがきをすると歯ぐきから出血する
歯周病の典型的な症状で、歯みがきや硬いものを噛むことで出血します。歯ぐき(歯肉)には多くの血管がとおっており、歯周病菌に侵されて歯肉に炎症が起こることで、歯みがきなどの強い力が加わると炎症部分から出血するのです。

・口臭がひどくなる
口臭の原因にはさまざまなものがありますが、ある日突然、口臭がひどくなったようなときには歯周病の可能性があります。歯周病による口臭は、歯周病菌の繁殖によって起きるものなので、かなりキツイ臭いがするのが特徴です。しかし口臭は自分で気づきにくく、また周囲の人も遠慮しがちになるので、気づかないうちに進行してしまうことがあります。

・口の中がネバネバする
唾液の中に歯周病菌が多く存在すると、お口の中がネバネバしてきます。朝起きたときにお口の中がネバついていたり不快な感じがしたりするときは、歯周病の可能性があります。

・歯ぐきが腫れる
歯ぐきが腫れてブヨブヨになるのは歯周病の典型的な症状です。

・歯ぐき(歯肉)が変色する
健康な人の歯ぐきはピンク色をしています。しかし、歯周病になると歯ぐきが明らかに赤くなり、進行するに従って赤紫になるというように色が濃くなっていきます。

・歯ぐきから膿が出る
歯ぐきから出血する段階からもう一段進むと、歯ぐきの内部に膿がたまるようになり、痛みが出てきます。膿を出してしまえば痛みは治まりますが、原因となっている歯周病を治さない限り、再び膿がたまってしまいます。

・硬いものを噛むと痛みを感じる
歯周病になると、歯を支えている周辺の組織が弱ってくるので、硬いものをかじると歯周組織が歯を支えきれなくなり、痛みを感じるようになります。

・歯がグラグラする
歯周病になると歯周組織が侵されるため、歯を支えている歯根膜や骨が溶かされていき、歯がグラグラしてきます。歯を人差し指と親指で軽くつまみ上下左右に軽く揺さぶったときに明らかに歯がグラグラする、あるいは舌で押すと歯が動くような状態は、歯周病がかなり進んでいる状態です。

・歯ぐきか下がって歯が長く見えるようになる
歯周病になると歯周組織が侵されるため、歯肉が後退して歯が長くなったように見えます。あるいは昔よりも出っ歯になったように見えることがあります。鏡でチェックして、昔よりも歯が長くなったり、出っ歯になったように見えたりしたら歯周病の疑いがあります。

・歯ぐきがムズムズする
歯周病になると、常に歯ぐきがムズ痒かったり、痛んだりするようになります。

・歯と歯の間が広くなり、ものが挟まりやすくなる
歯周病になると歯周組織が侵されるので、歯と歯の間が広がり、ものが挟まりやすくなります。また、歯が浮いた感じがしたり、噛み合わせが悪くなったりすることもあります。

・糖尿病の合併症
糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす病気です。その中で、糖尿病患者の多くは歯周病になっている確率が高いというデータがあります。

歯周病の予防法

歯周病の予防法歯周病を予防するのに、最も効果的なのはブラッシングです。どのような形・サイズの歯ブラシを使うべきか、どのように磨けば磨き残しをなくせるか、歯科医師や衛生士の指導を受け、患者さまが自ら家庭で実践することが重要です。当院では、衛生士による歯周病予防の指導を行っています。

歯ブラシ以外のケア用具
歯と歯の間や歯の一番奥の部分、被せ物やブリッジがある場合、歯ブラシだけでは十分に汚れを落とすことはできません。そこで、歯みがきを補助する器具を使うことをお勧めします。ただし、こうした器具の選び方や使い方は、歯科医師や衛生士に相談してください。

●歯間ブラシ
歯と歯の間に差し込み、ゆっくり動かすことで歯の側面の汚れを落とします。さまざまなサイズがあるので、適切なものを選ぶことが重要です。

●部分みがき専用歯ブラシ
普通の歯ブラシはヘッドの部分が大きすぎるため、奥歯の後ろ側や歯並びが悪いところは磨けないことがあります。そうした部分の汚れを落とすのに有効なブラシです。

●デンタルフロス
歯と歯の間を磨くときに、歯間ブラシが入らないような隙間の汚れを落とすときに使います。歯と歯の間に糸をとおし、歯ぐきを傷つけないように上下に動かして汚れを落とします。

歯周病の治療

一口に歯周病と言っても、原因や症状を悪化させている要因は患者さま一人ひとりによって異なります。そのため、治療を始める前に検査を行い、それぞれに適した治療をしていきます。

プラークコントロール
歯周病の予防・治療ともに重要なのは、プラークコントロールです。歯周病の原因となる歯垢(プラーク)の増殖を抑えるのが目的で、正しいブラッシングや、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使います。

スケーリングスケーリング
毎日のブラッシングで取り残してしまうプラークや、ブラッシングでは取り除くことができない歯石を除去し、再び付着しづらくするように処置する治療法です。歯周病になると歯周ポケットが深くなり、そこにたまったプラークが病気を進行させていきます。スケーリングをすることによって歯ぐきの炎症が治まり、歯周ポケットも浅くなるので、症状の改善が期待できます。

詰め物・被せ物の修正治療
詰め物や被せ物がうまく歯にフィットしていないと、プラークが付着しやすくなります。この場合、詰め物や被せ物を適合するように修正すると、プラークが付きにくくなり、付着したプラークを取り除くのも簡単になります。

抗生物質による治療
歯周病はプラークの中にいる歯周病菌に感染する病気なので、抗生物質を服用したり、直接歯周ポケットに抗生物質を挿入したりすることで、細菌の増殖を抑える治療法です。

生活習慣・食生活の改善
病・睡眠不足・ストレスなどで体の抵抗力は低下してしまいます。そのため歯周病菌に感染しやすくなるので、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの解消などは歯周病を治していく上で大切な事柄です。

また、歯周病が起こりやすくなる糖尿病を予防するような食生活を送ることも重要です。食材や料理法を工夫することも大切ですが、良く噛んで食べる習慣をつけることも必要です。

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